畑で出会ったふしぎなサツマイモとポッコのお話です。サツマイモをやさしく見守ることで、思いがけない不思議なごほうびが広がっていきます。
秋の風がすこし冷たくなってきたころ。ポッコは畑のすみで、ふしぎなツルを見つけました。「これ、なにかな? にょろにょろしてる!」
ポッコはツルをたどって歩きました。どんどん、どんどん、ツルはつづきます。「うわっ、どこまでいくの~?」
「えいっ!」ポッコが土をほると、ピカピカのサツマイモがこんにちは!「わぁ~! きれいな色~!」
すると――「いたたっ、もうすこしやさしくして~!」サツマイモがしゃべりました。「ひゃー! おいもさんがしゃべったー!」とポッコはびっくりします。
「ぼくね、まだおひさまをたくさん浴びてないんだ。もう少し、ここにいたいの。」おいもさんのお願いに、ポッコはうなずきました。「うん、じゃあ、毎日あいにくるね!」
ポッコは毎日、畑へ行きました。おひさまの光の下で、たくさんおしゃべり。「きょうはカボチャのとなりがうるさいよ!」「ふふっ、秋はみんな元気だね!」
その夜、サツマイモが月の光に照らされて――ぽわっと光りはじめました。「えっ!? おいもさん、光ってるよ!」とポッコは目を丸くします。
光は葉っぱを伝って、畑ぜんたいが金色に。「ありがとう、ポッコ。おひさまとおしゃべりできてうれしかったよ。」ポッコはそっとなでました。「ぼくもだよ!」
朝になると、畑にはおおきなサツマイモがごろごろ!子どもたちは大喜び。「ポッコのまほうかな?」木のかげから、ポッコはにっこり見ていました。
やさしく育てると、まほうはかってに花ひらく。――ポッコより。