あかりの虫歯ストーリー(卓球部女子大生)

大学の卓球部でがんばるあかりが、食べ物のつまった違和感から虫歯を見つけ、受診と治療を経て、また笑顔でプレーできるようになるまでの物語です。

ストーリー

大学の昼休み、友だちと楽しくお弁当を食べていたあかり。唐揚げをほおばったとき、「ん? なにか歯につまった…」と違和感をおぼえます。休み時間に洗面所で歯を磨くと、つまっていたものは取れましたが、歯と歯のあいだに小さな黒い穴を見つけてしまいました。

「もしかして虫歯…?」と不安になりながらも、まだ痛みはありません。大会前の練習が忙しいあかりは、虫歯のことを気にしつつも「今は部活が優先」と歯医者さんに行くのを後回しにしてしまいます。

やがて季節は秋になり、パーカー姿で登校するころには、冷たい飲み物がしみる日が増えてきました。それでも、「きっと気のせい」と自分に言い聞かせて過ごしているうちに、冬が近づいていきます。

冬の寒さがきびしくなったある日。友だちとカフェで温かい飲み物を飲もうとした瞬間、「いたっ!」と強い痛みが走りました。あのときの小さな穴は、すっかり大きく黒く広がっていて、「なんで早く行かなかったんだろう…」とあかりは後悔でいっぱいになります。

「もう行くしかない」。あかりはスマホで歯科医院を検索し、その場で予約を入れました。白いダウンコートで向かった歯医者さんでは、受付のスタッフが笑顔で迎えてくれ、こわばっていた気持ちが少しほぐれます。ユニットに座り、先生と一緒にタブレットのレントゲン画像を見ると、歯と歯のあいだにできた虫歯がはっきり映っていましたが、「大丈夫、ちゃんと治せますよ」とやさしく説明してくれました。

治療は思っていたよりもスムーズに終わり、痛みも次第になくなっていきました。数日後、体育館のトイレでユニフォーム姿のあかりは、鏡の前で歯ブラシを持ちながら、にっこり笑います。「これからは、食べたらちゃんと磨こう」。虫歯をきっかけに、あかりは自分の歯を大切にしながら、また元気に卓球の練習へ向かっていきます。