朝のしみた瞬間 ―知覚過敏に気づいた日―

27歳の美波さんが、朝のほんの一瞬の“キーン”という痛みから始まり、検査・説明・治療を通して安心を取り戻していく優しいストーリーです。

ストーリー

いつもの朝。歯みがきの途中、奥のほうが「キーン」としみた。ほんの一瞬だったけれど、思わず手が止まった。

「一度だけ…でも気になる。」そう思ってスマホで調べてみる。“歯がしみる 原因?” その言葉を見て、近くの歯科を予約した。

初めての歯医者。少し緊張していたけれど、受付の笑顔にほっとした。「大丈夫、ここなら話せそう」——そう感じた。

診療室で先生が穏やかにヒアリング。「いつから?」「どのあたりが?」丁寧に聞いてくれて、不安が少しずつほどけていく。

小さな鏡と風で、歯の反応を調べる。モニターに映った自分の奥歯。「ここですね。エナメル質が少し薄いようです。」と説明を受けた。

強いブラッシング、くいしばり、食生活……。いろんな小さな負担が積み重なっていた。「原因がわかると安心しますね」と先生の声。

今日は知覚過敏を抑えるお薬でコーティング。短い処置で終わり、「これでしみるのが落ち着くと思いますよ」と言われ、胸がほっとした。

家では“やさしくみがく”が合言葉。やわらかめの歯ブラシと知覚過敏用ペーストを使い、力を入れすぎず、ていねいにケアする。

冷たいものや酸っぱいものはほどほどに。寝ているあいだのくいしばりには、マウスピースという対策もあると教わった。

次のチェックは数週間後。「前日にリマインドが届くので、忘れませんよ」と受付の声。小さな安心がまたひとつ増えた。

その後の朝。しみる感じがぐっと減り、コップの水がもうこわくない。続けると、こんなに違うんだと実感した。

「早めの受診とメンテナンスが、歯を守るいちばんの近道です」。衛生士の言葉を思い出しながら、軽やかに帰る美波。歯も未来も、自分でやさしく守っていこうと思えた。