忙しい夜、つい洗口剤だけで済ませてしまった30代男性。翌朝の奥さんのひと言をきっかけに、洗口剤には「歯みがき前」「歯みがき後」など使うタイミングが違うタイプがあることを知り、ラベル確認の大切さに気づくストーリーです。
仕事を終えて、ようやく家に帰る。今日は少し…いや、だいぶ遅くなった。靴を脱いだまま、しばらく動けない。体も頭も、もう限界に近い。
洗面所に立つ。歯ブラシは、そこにある。でも今日は手が伸びない。洗口剤で軽くうがいをして、「まあ、これでいいか」と思ってしまう。
着替えもそこそこに、ベッドに倒れ込む。スマホを手に持ったまま、目を閉じる。ちゃんと磨かなかったことを考える余裕もないまま、眠りに落ちた。
シャワーを浴びて、髪を乾かす。鏡に映る自分の顔をぼんやり見る。少しだけ、「歯、ちゃんと磨けばよかったかな」そんな考えが頭をよぎる。
翌朝、いつもの朝食。何気ない会話の中で、奥さんが少し言いづらそうに言う。「朝、ちょっとだけ口のにおいが気になった」責められているわけじゃない。でも、心に残る。
通勤電車の中。窓に映る自分の顔を見る。洗口剤は使った。それなのに、なぜだろう。「ちゃんとケアできてた、って言えるのかな」そんな疑問が浮かぶ。
昼休み、スマホで調べてみる。洗口剤には、歯みがきの前に使うタイプと、歯みがきの後に使うタイプがあることを知る。「全部同じだと思ってた」それが間違いだった。
夜、食後の落ち着いた時間。調べたことを奥さんに話す。洗口剤は種類によって使う順番が違うらしい。二人で話しながら、「ちゃんと見て使うって大事だね」と自然にうなずき合う。
その夜、洗面所で洗口剤を手に取る。ボトルの裏側を、しっかり読む。使うタイミングがちゃんと書いてある。今まで“なんとなく”で使っていたことに気づく。
翌朝。同じ洗面所、同じ朝の支度。でも昨日とは少し違う。順番を知るだけで、ケアの意味がちゃんとつながった。奥さんがちらっとこちらを見て微笑む。それだけで、十分だった。